遺伝性疾患は、年齢の経過とともに様々な臓器に不具合が生じたり、長期にわたる専門的な治療が必要となったりすることもあるため、信頼できる医師のもとで対応をすることが肝心です。各地の大学病院や総合病院の中には、遺伝性疾患を専門に扱う外来が設けられているところも多くあり、様々な診療科目の名医に診察を受けることが可能です。また、病状の進行の度合いや治療効果の診断をするうえで、なるべく早い時期に適切な検査の環境が整っている医療機関を探すことも必要です。

遺伝性疾患の治療のためには、生活習慣病などの疾患と比べて高額な費用が掛かる傾向が見られます。そうした中、治療費に関する悩みがある時には、医師だけでなくかかりつけの医療機関のソーシャルワーカーなどに相談をして、高額医療や難病治療に関わる費用のサポート制度について確認することが大事です。

数ある遺伝性疾患の中でも、筋肉や骨などに異常が出やすいものについては、生活の質が悪くならないよう医療関係者や家族と相談をして対策を立てることがポイントです。なお、年齢や病状などの理由により、自宅で十分な身体介護や生活支援などの福祉サービスを受けられない場合には、役所の担当者やケアマネジャーを通じて介護施設や障害者施設などへ入所するという方法もあります。その他には、従来の薬物治療や外科手術だけでなく、国内外で臨床研究が進められているものについても調べ、自分に合った遺伝性疾患の治療法を選ぶことが大切です。